📖 目次
高品質素材へのこだわり
ピザ窯本体の基礎には、建築基準を満たすコンクリートブロックと鉄筋コンクリートを使用し、強固な土台を構築。そして、高熱にさらされる炉(燃焼室)部分には、1300℃以上の耐熱性を持つ「SK32」(常用耐熱温度1350℃)の耐火レンガを採用しています。これは、ピザ窯の適正温度400℃~500℃をはるかに上回る性能です。
レンガの目地には、約1400℃まで耐えられる耐火セメント「アサヒキャスター13T」を使用。従来の耐火モルタルと異なり、熱を加えずとも硬化するため、施工性が高く、より確実な接着を実現します。
ピザ窯の基礎工事
ピザ窯を設置する場所には、耐久性の高い基礎を打ち込みます。
ピザ窯の重量に耐え、将来的な沈下や破損を防ぐため、厚さ10cm以上のコンクリートを打設し、内部には適切な配筋を施しています。今回の施工では、95cm×95cmのサイズで基礎を構築しました。
見えない基礎部分こそ、当社の技術と品質へのこだわりが詰まっています。
ピザ窯を載せる台座の設置
ピザ窯の土台として、コンクリートブロックを3段積み上げ、その上に厚さ65mmのコンクリート台座を設置しました。
この重量のある台座の設置は、人力だけでは困難なため、チェーンブロックを活用して安全に持ち上げ、複数人で協力しながら慎重に位置を調整。水平器で正確に水平を確認し、ピザ窯本体を組み立てるための万全の準備が整いました。
ピザ窯組み立て設計図PDF
ピザ窯本体の組み立ては、各部の機能と精度が重要です。
- 1段目: コンクリート台座に耐火レンガを密着させて敷き詰めます。
- 2段目・3段目: 薪を燃やす燃焼室の側面を、効率を考慮した「コ」の字型に構築。
- 4段目: 次の段のピザ焼き面を支えるための受けを作成します。
- 5段目: 耐火レンガ平板で平らな窯床を敷き詰め、ピザを焼く場所を完成させます。
- 6段目・7段目: 再び「コ」の字型に積み上げ、窯の入り口と半円部分の蓋受けを形成。薄いベニヤ板の型を用いて、美しいアーチを正確に作り出します。
- 煙突: 耐火レンガを4段積み上げ、煙突部分をしっかりと構築します。
- 専用の蓋: ピザ窯の口に合わせ、耐火レンガ平板をカットし取っ手を付けた専用の蓋を製作。これにより、窯内の温度調整も容易です。
雨対策も万全:収納と燃焼室の蓋
ピザ窯には、使いやすさと保護を考えた機能を追加しています。
煙突には雨水対策として、下から操作可能な蓋を設置しました。
同様に、コンクリートブロック製の薪・道具収納スペースにも専用の蓋を設けています。
そして、薪を燃やす燃焼室にも蓋を製作。これにより、使用時・不使用時ともに、ピザ窯の管理がより簡単になります。
こだわりのピザ窯、その実力と課題
実際にピザ窯を稼働させ、いくつかの知見を得ました。
最適な温度(400℃~500℃)に達するまでには2~3時間を要し、予想より多くの薪が必要です。しかし、この経験を通じて、耐火性の高いセメントやレンガを選んだことの重要性を再認識しました。耐火レンガは温まりに時間はかかるものの、一度温まると冷めにくく、連続してピザを焼ける利点があります。
改善点としては、ピザを焼く場所の蓋です。平板レンガ製のため重く、開閉に労力がかかります。直接火が当たらない箇所であるため、今後はより軽量な素材の採用も検討し、使いやすさを高めていきます。